架電、テレマ、テレアポ、コールドコールetc 〜どれだけ知ってる? 電話営業の種類を考察する〜
1.電話営業の成り立ち
電話営業は今では営業戦略の一つとして定着していますが、その起源はいつからなのでしょうか。
ここではその起こりと現在までの流れを追ってみたいと思います。
電話営業の起源は電話の発明に端を発します。
電話は1876年にアレクサンダー・グラハム・ベルによって発明され、商業用に利用されるようになりました。
その後、企業は電話を営業活動に活用する方法を見出し、電話を介した営業活動が始まります。
企業は電話を使って顧客に直接連絡を取り、商品やサービスの説明、注文の受付、値段の交渉など、行いました。電話を使用した営業活動はテクノロジーの進化でさらに効率的になっていきます。
1950年代〜60年代
第二次世界大戦後のアメリカで電話営業は急速に成長しました。
この時代は経済成長が好調で積極的な経済活動の中で電話営業の普及も盛んになりました。
また、電話営業を行う体制も整いはじめていきます。
1970年代〜80年代
この時代コンピューター技術の進歩により、電話営業はさらなる発展を遂げました。
顧客のデータをPCで管理したり、そのやりとりを記録したりとその技術を有益に活用していきます。
また本格的なコールセンターの設置により効率的に顧客と連絡を取ることができるようになりました。
1990年代〜2000年代
電話営業はインターネットの普及により新しい形へと進化しました。
企業は電話営業の前段階でWebサイトやメールなどを使用し商品やサービスの販促活動を行う様になります。また、ソーシャルメディアの登場により、企業は顧客とコミュニケーションを通じて、ブランディングや信頼関係の構築ができるようになりました。
2010年代〜現在
この頃、電話営業はますます営業戦略における地位を高めていきます。
企業は競合との競争力を維持するために電話営業を効果的にコストを抑え、最大限に効果を発揮することを求められていきます。インサイドセールスなどの内勤型営業において電話営業の仕組みをインクルードしたり、電話営業を支援する、CRM(顧客管理システム)、SFA(営業支援システム)、IVR(自動音声応答システム)などの各種ツールを活用することで、顧客のニーズを把握し、最適な提案ができる様になることで、顧客満足度を高めることが重要な課題となっています。
2.こんなにある!電話営業の種類を考察
電話営業といっても様々な種類や段階に応じてのアプローチがあります。
また、各電話営業の導入の際、同じ電話営業でも呼び方がそれぞれの営業で異なるため、
ミスコミュニケーションが起きてもいます。
そのため、その言葉の意味を分解し、咀嚼し、定義する必要があります。
これから説明することはあくまで弊社Tsumugu Worksで使用している言葉の解釈・定義になりますので、
一つの参考にしていただければと思います。
まずは下図をご覧いただき、関係性を把握してください。
架電の中にテレマーケティングがあり、テレマーケティングがアウトバウンド、インバウンド、既存顧客に分解されて、さらにそれぞれのコールの種類があります。
架電
架電とは電話をかけてコミュニケーションを取る手段です。
テレマーケティング
テレマとも言われます。架電の中でも、見込み顧客や既存顧客とのコミュニケーションを取ることを意味します。
テレアポ(テレフォン・アポイントメント)との違いがよく比較に上がりますが、テレアポはアポ取得だけを目的としています。テレマーケティングはマーケティングと評される通り、直接的にアポイントには繋がらない、
売上UPのために必要な架電も含みます。
次にコールの種類を見ていきます。
アウトバウンド
リード取得コール
リード取得コールとは、アポイント取得を目的としない、メールアドレス取得やキーマン情報の取得のために電話をすることです。
市場調査コール
新規商材などのニーズを確認したり、顧客満足度などを調査するために電話をすることです。
コールクロージング
業種業態は限られますが、例えばウォーターサーバー製品とか、通信機器事業サービスなどは、
電話のみでクロージングまで完結することがあります。
テレアポ
コールドコール
コールドコールは飛び込み営業の電話バージョンです。全く面識のない企業に電話をかけるアプローチで、
BtoB企業では決裁権を持つ担当者に自社商品・サービスに興味を持ってもらい繋がりを得るための手法です。
相手の状況が全く不明なことからこの呼び名がつけられました。
ウォームコール
一方ウォームコールはコールドコールと対になる言葉になります。
コールドコールとは違い、キーマンの情報や該当部署の電話番号、インテンドデータなど、
比較的相手の状況を把握できている顧客に対するアプローチです。
インバウンド
リードコール
リードコールは何かしらのマーケティング活動を得て、事前に収集したリード(見込み客)リストに対して行われるアプローチです。リードコールの効果を最大化するために事前に整理したリードリストに即して、情報をさらに収集し、リストの厚みを増やした状態で電話をかけたりします。
ナーチャリングコール
機能のアップデート、事例の紹介、セミナーへの招待など、お客様に有益な情報を提供していく架電のことです。
ナーチャリングとは「育成」という意味で顧客との関係を育成していく意味で使われます。
フォローアップコール
状況の確認のために電話をかけます。前回の対話やアクション内容などに続いてさらなる情報を提供したり、
次のステップを示すアプローチをするのがフォローアップコールです。
既存顧客
サンキューコール
サンキューコールは言葉からも想像できる様に、商品やサービスを購入した顧客へ御礼の電話をかけることを意味します。その際、商品・サービスの満足度や不安点、改善点なども併せてヒアリングすることで、カスタマーサクセスを促進することにも繋がります。
サポートコール
機能の説明や使い方の支援のための架電対応です。サポートが充実していると、不安や懸念を都度払拭できて、
顧客満足度を高めることにダイレクトに繋がります。
アップセル・クロスセルコール
既存商品・サービスの機能の追加やさらなる効果を期待できる商品・サービスを提案するコールを指します。
マーケティングのフロントエンド・バックエンド商材戦略と組み合わせて活用することも有用です。
3. 電話営業を行う上での事前準備
色々なコールの種類を見てきましたが、闇雲に電話をかけるだけでは成果を上げることはなかなか難しいのが実情です。事前にあらかじめ様々な準備をして臨むことで期待通りの成果に近づき、目的を達成する確率が高まります。電話営業の種類にもよりますが、主に下記に示した項目を準備しておくとスムーズに架電ができますので
参考にしてみてください。
目標の設定
まずは目標の設定ですね。明確な目標があってこそ、その電話の目的も、より意味を増します。
目標にはKGIとKPIを設定するのが通例です。
KGIは「Key Goal Indicators」の略で「重要目標達成指標」と訳されます。
電話営業におけるKGIは、
・前年比売上アップ
・購入数、成約数の増加
・チャーン(解約)率の減少
・顧客満足度の前年比アップ
・商品・サービスのリピート率のアップ
・アップセル・クロスセルの前年比アップ
などが挙げられます。
KPIは「Key Performance Indicators」の略で「重要業績評価指標」と訳されます。
KPIはKGIを達成するための中間目標の指標です。
・見積もり獲得件数
・資料請求、ダウンロード数
・顧客アンケートの実施数
・架電・通話数
・通話時間
・見込み客数
・アポイント獲得数
などが挙げられます。
ターゲットリストの作成
目標が決まったら次はターゲティングです。マーケティングでも自社の強み弱みを把握する3C、
市場の規模を把握するセグメンテーション、自社の立ち位置を明確化するポジショニング、
そして、自社の商材・サービスのターゲットを明確にするターゲティングがあります。
電話営業も同様にターゲットを明確化し、リストを作成します。
こうすることでより効率的、効果的に架電をすることができます。
トークスクリプト(台本)の作成
誰でも面識のない相手に電話をかけることは緊張しますし、不安になります。営業電話というだけで、
敬遠されることも多々あるでしょう。
そのような中でも会話が途切れず、有用な成果を上げている営業電話も存在します。
その違いはなんでしょうか?それはトークスクリプトの準備にあります。
トークスクリプトとは話す内容をステップごとにまとめた「台本」を指します。
もちろん会話はこちらが思う様には進まないこともあるので、
臨機応変さも大事ですが、定型的な会話内容が用意されることで、話しの流れを崩さずに、
進めていくことができます。
トークスクリプトでは主に以下の様な内容を設計します。
1. 挨拶・自己紹介
2. 話のつかみ(フロントトーク)
3. 本題(案内や質問)
4. 切り返し(相手の反応への対応)
5. アポイント調整
6. Q&A
話し方のトレーニング
話し方もトレーニングを行うことで上達していきます。
基本的な発声、抑揚、トーンバランスなどの他に下記を意識することで会話のコミュニケーションが上がります。
ペーシング
ペーシングとは相手の発話速度に併せて自分の話速も揃えることを意味します。
ゆっくりな相手なら自分もゆっくり話す、早い相手なら自分も早く話す、
こうすることで違和感やストレスを感じさせずに相手とコミュニケーションを行うことができます。
ラポール
ある程度会話が進み、次のステップに進めそうな段階にきたらラポールを意識します。
ラポールとは顧客に一定の信頼をされてヒアリングが可能な状態を指します。
ラポールを形成するにあたって重要な要素は「自社理解(どれだけ相手の会社を理解しているか)」と
「ドメインの精通(その事業領域をどれだけ知っているか)」です。
会話の中で「仮説」「共通言語(専門用語)」「事例」を交えながら話すことで、
ラポールを得られやすくなります。
リーディング
リーディングとは会話をリードしていくことをさします。
顧客のニーズにフィットする提案に向けてヒアリングをリードしていくという意味です。
顧客の環境と心理的障壁、課題をクリアできない場合の損失、その損失が引き起こす影響、
それが好転した時のベネフィット(便益)などを会話をリードしながら深めていきます。
コールの実施
ここまでの準備が整いましたらいよいよ架電を行っていきます。
メモとフォローアップの計画
一回の架電でアポイントや成約まで取得できれば最良ですが、やはり数回に渡りアプローチをはかる必要があります。会話をしながら要点をメモしたり、次のフォローアップの切り口になりそうな話題を探ります。
成果の分析と改善
実際に行った架電対応の結果をまとめていき、電話営業のPDCAサイクルを回し、さらなる改善に繋げていきます。
まとめ 〜目的・用途に併せて電話営業を活用する〜
今まで色々な電話営業のスタイル、その準備に必要な内容をみてきましたが、
それぞれの目的や用途で必要な内容は変わります。自社の戦略に則った電話営業を展開していきましょう。
また、電話営業は技術やテクノロジーの進歩でそのアプローチを進化させ続けています。
しかしどんなに進化しても変わらないのは人と人のコミュニケーションが根底にあることです。
自社の商品・サービスをただ一方的に伝えていくだけでなく、相手を理解し、課題解決のために
最適な提案をしていくことが電話営業を成功に導く秘訣です。
Tsumugu Worksには実績豊富な電話営業のスペシャリストが揃っています。
全体設計のお手伝いから、部分的にインサイドセールスを導入するお手伝いまで、幅広く対応しています。
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